きろくのぶろぐ

主にファンレターについての記録

初めて自作ファンレターを作った話

こんにちは。推しに2年間、自作ファンレターを送り続けている女です!
今回は、初めてファンレターを自作しようと思った日のこと、そして自作して2年経った今のことを、書き綴ってみようと思います。

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これが初の自作封筒のファンレター。
今見ると、あちこち拙いなーと思うところが多くお恥ずかしい一通ですが、やっぱり最初のものなので思い入れ深いです。何より、これを作ることにしたのには、明確な理由・きっかけがありました。
それは「敵わない」と思ってしまった、尊い応援の存在。

始まりはこの日…推しの書いたこのブログ。



2017年夏、この頃の私は、丁度「現場に通い始めて間もない」くらいの時期でした。俳優オタクとしての黎明期あたりの時期でしょうか。そんな時期に足を運んだのがこのイベント。

「超体感ステージ『キャプテン翼』キャストといく横浜FC観戦ツアー」

舞台公演より少し前に開催されたこのイベント。内容はその名のとおり、キャストと共にサッカー観戦をするというものです。
とはいえ、メインは私達オタクとキャストが一緒にサッカー観戦をする部分ではなく、試合前後とハーフタイムにピッチ上で行われた舞台PR。サッカー観戦をしに来た『サッカーファン』に舞台の存在を知ってもらうことが主旨のイベントでした。


ピッチ凱旋パレードは、キャプ翼キャラクターに扮したキャスト達が、キャプ翼の音楽をBGMに広いピッチ上をぐるりと一周歩きます。
歓声を受けて観客に手を振ったり、最前列まで見に来たちびっ子とハイタッチしたり。

彼がブログで綴ったように、幼少期から青春時代までをずっとサッカーに捧げてきた彼には、ユニフォームを着てピッチに立つ時間はきっと特別なもの。


そんな中で受けた、この歓声。
「石崎ーーーー!!!」

彼の名前ではなく、演じる「石崎了」の名前で、男性から送られた野太い声援。
女性からの歓声には慣れているであろう若手俳優。男性からの歓声を浴びる機会は少ないと思います。だからきっと、すごく…物凄くものすごく嬉しかったんだと、彼のブログを読んで感じました。


歓声を送った男性はきっと子供時代をサッカーとキャプ翼と共に過ごした「元サッカー少年」で、石崎了というキャラクターが一番好きだったんじゃないかな。あるいは今も漫画のファンなのかもしれない。

そんな「元サッカー少年」の歓声だったからこそ、彼の心は震えたのかもしれない。



…まあ、私の勝手な憶測なんですが!(笑)

でもこのブログを読んだとき、私は瞬時に「ああ、この応援には勝てない」という敗北感を覚えてしまった。自分の応援に、劣等感を抱いてしまった。

勿論、本来応援には勝ち負けも優劣も存在しません。どんな形の応援も、みんなきっと等しい価値を持っている。応援の気持ちに優劣や勝ち負けなんてない、あってはいけない。
…それでも、私は本能的に思ってしまったんです。「負けた」「一生勝てない」って。

もし仮にこの先私がどれだけ現場に通っても、いくらお金を出しても、何通お手紙を書いたとしても…この一瞬の声援が彼に与えたパワーに、きっと届かない。

この「応援」に、追い付けない。



もしかしたらその男性は、この試合に偶然居合わせただけで、このあと舞台には来ていないかもしれない。自分が名を叫んだキャラクターを演じる俳優の名を、知らないかもしれない。推しがその声援を送ったのがどこの誰かなんて知ることも、きっとない。
それでも、あの日あの瞬間に誰よりも彼に力を与えたのは、そんな「誰か」の声援だった。

そんな敗北感と劣等感と同時に、私はその応援に対してもうひとつ、憧憬の念を抱きました。「ああ、自分にしか出来ない応援っていいな」って、そう思ったんです。
かつてサッカー少年だったかもしれない男性だったからこそ届いた応援に、私は憧れた。女性である自分には出来なかった応援に、私は焦がれた。自分にしか出来ない応援って、とても素敵だ。


「自分にしか出来ない応援ってなんだろう」
そう考えるようになりました。自分の好きなもの、得意なもの…自分の持っているスキルの中で、何か活かせるものはないか。推しはどんなものが好きなんだろう。自分に出来ることは何かないものか。
そして幸い、私は手先が器用でした。
元々二次創作をしていたオタクなので、上手くなくとも多少は絵も描けました。飽き性だったので、ハンドメイドとかいろんな方面にも手を出していた。何も秀でたものは持っていないけど、出来ることは比較的多かった。


そこで私が辿り着いた結論こそが「受け取った瞬間に応援が伝わるファンレターを作ろう、書こう!」でした。これが私のお手紙芸の始まり。

そこから2年間、こんな手紙達を送り続けます。


こんなファンレターを作っているのと、普段ゆるふわぶっているので、初対面では「光のオタクだ」と思って頂けることが多いのですが、劣等感と敗北感をエネルギーにして動く闇のオタクです。一見陽気でハッピーなだけに見えるこのお手紙の始まりは、まさかのコンプレックス。たぶん推しが知ったらびっくりする。寧ろ私もこの記録綴りながら「重っ…」ってドン引きしてるレベル。

そんなネガティブ思考な闇属性オタク、「お手紙気持ち悪がられてたらどうしよう…?」と怖くて、一年半ほどは現場の私と手紙の私が一致しないように画策してました。勿論「推し、こういうの喜んでくれそう」と思ったから始めたことですが、反応もないままにただ送り続けているとひたすらに不安。反応、貰いに行ってないから当然そんなのあるわけないんですけどね!だって怖いんだもん(・3・)


とはいえこのお手紙シリーズ、そんな気持ちも抱えてはいるけれど、やっぱり実際めちゃめちゃ楽しく作っています!(笑)
応援のためのファンレターではありますが、お手紙を書くことって結局一番は自分の気持ちの整理の効果が一番大きい。
私のオタクタイプ的に創作活動が必要でした。私は創作をすることで「好き」「楽しみ」「楽しかった」等の気持ちを、自分の中で具体化さて膨らませ、気持ちを育むタイプ。事前に準備すること・観劇後に感想を書くことが、自分の気持ち整理するため必要な作業でした。
応援と自分の気持ちの整理、両方を兼ねた存在が私にとってのお手紙ですね。



さて、ここまでが「お手紙芸の始まり」と「無言でファンレターを送り続けただけの2年間」のお話です。ここからは少しだけ、今のお話をさせてください。

2017年8月に初めて自作ファンレターを送ってからちょうど2年、2019年8月。記念すべき、推し初のファンツアーがありました(もうめちゃくちゃ楽しかった~!!)(ファンツアーの記録、公開せずとも自分の思い出用に書きたい)


そこでついに…推しに聞いてきちゃいました、お手紙のこと!
(反応求めるのウザいかなとウジウジ悩んでいた私の背中を押してくれたフォロワーさん、本当にありがとう)
とはいえ実を言うとバスツアー中には勇気が出し切れず、聞けなかったんです。実際聞けたのは、翌日のイベントでのチェキ会でした。


結論としては、ちょっとは楽しんでもらえていそう。心底安心しました…!少なくとも、迷惑がられてはいないようです。
2年間、私が最も欲しかったうちの言葉のひとつ、「楽しみにしてる」を頂けました。
(ちなみに最も言われてみたいワード、もうひとつは「いつもありがとう」です。実は一度も言われたことがない)

おーーーい!聞こえるか2年前の私ーーーー!!!大丈夫だってさ!そのファンレター、大丈夫だって!迷惑じゃないってさ!!だから安心して、この先2年間お手紙を作り続けるといい。でもお前の文はクッッッソ読みにくくて気持ち悪いから、早めに改善しろーーー!!!
アッこれ現在の私にも特大ブーメラングサッッッ
(読みづらい文章のブログにお付き合い頂いている皆様、ありがとうございます…)


というわけで初めての自作ファンレターから2年。ひとつのアンサーを得て節目を迎えた、今までの記録と始まりの気持ちを書き綴りたくて始めたのがこのブログです。ちなみにこの記事の公開日は、ちょうど舞台キャプ翼初日から2年の日。

私が憧れた、男性の声援。その人にしか出来なかった、尊い応援。一生かけても追い付けるなんて思ってもいないから、せめて足元くらいには届きたい。貴方にはいつも楽しい時間を与えて頂いているし、このお手紙達も私は楽しく作っているし、ほんの少しでも楽しい気持ちをお届け出来ていたら嬉しいなあ…。
だから私はそっとプレボの片隅に、感謝と応援の気持ちを送り続けるのです。




***

拝啓 推し様

私の『応援』は今、あの日の『声援』の何%ですか。
いつか私も、あなたの力になれますように。